シルバーファイブ

□シルバーファイブ79
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「ケッホカッホくぁ!」



酸素マスクをしていても、発作は止まらず吐血を繰り返す。



治癒しているはずだった。



それなのに・・・。



安定剤の注射をしても、もう、治まることはなかった。



苦しそうに、ただただ、吐血を繰り返す。



鮮やかな赤い水が、目の前のものを、赤く染め上げる。



「友!」



「ゲッホゲッホ!カハッ!!」



私の兄は、体力の限界まで吐血が治まらなかった。



消えそうな友とは対称的過ぎる赤。



白い肌は、微かに青く透け始めているようにも見えた。



私は、気付いていた。



今日が、最後の日だって。



涼香が、鈴が、静が、海飛兄がどんな治療方法をしても。



全て無意味だって分かっていた。





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