小説

□あまい、After5
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Stir it constantly so that it won't scorch





一際眩しいヘッドライトが俺を照らす。車は目の前ですい と止まった。いつものようにドアを開けて、当たり前のように助手席へと座る。
運転席には、かわいいかわいい俺の恋人。


「なあ、何食べる〜?」
ピピと空調を調節しながら健一が問う。暑がりな俺のために、さりげなくクーラーの温度を下げてくれるのだ。気がよく効く。

ネオンの街を二人は通り抜ける。

健一の横顔を伺っているとチラリと目があった。
「聞いてる〜?タカヒロさーん」
おまえに見とれていたなんて言えない。

「んー、健一決めていいよ」
「えー、んー…そーだなー」

…赤信号、

「俺ん家、くる?」

(トマレ)

声の機微を見逃さない。

「いや、俺ん家さーこないだもらった旨い酒、あるし。料理俺、つくるし」

アルコール、は言い訳でしょ。

弁明するような健一に言う
可愛さ余って、いじわるしたくなる。

「誘ってんの?」
「!…っ……」

暗闇なのが悔やまれる。今、健一はきっと物凄くかわいい顔をしてる。
沸き上がってくる笑みを噛み殺して。

「積極的やねー、健一くん」

揶喩するように言うと、健一は(きっと)頬を染め、こちらを恨めしそうに見て、開き直ったように、言った。

「…言わせんなや、バーカ」

…ぐ……今のはキた。ヤバイ。

「早く食べたい」
−健一が

冷めた目で見られる
「……エロオヤジ」


滑るように車は走る。
見慣れたネオン。
健一の家はもうすぐだ。

ももとアイビー、
旨い酒、
旨いメシ。
最高じゃないか。
今日も俺はお仕事がんばりました。ご褒美くらい、いただきます、よ神様。


穏やかに時を刻む。

眠ってしまったももとアイビー、
のみつくした旨い酒、
胃袋に納まった旨いメシ、
そして、今まさに
俺に押し倒されようとしてるのは…

いじらしくて従順な



かわいいかわいい俺の恋人。




(焦げないようにそれを絶えず掻き回しなさい。)
 

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