†NOVEL†

□†Milk Tea†
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―Milk Tea―





太陽の光を感じることの無い教団の司令室では、時計の針だけが、今、朝であることを教えてくれる。
あぁ、また朝が来てしまった。
まともに寝ていない脳には、最早眠気覚ましのコーヒーすら何の役割も果たしてくれない。
しかし、飲んでいれば少しは違うのだろうと思い込んで、何杯目になるか分からないコーヒーを口に含む。
冷えてしまったそれを淹れ直す気にもなれない。

『はぁ…。』

ため息を吐いて、デスクに突っ伏する。
もう駄目だ…起きていられない。
本当に限界が来た体は、そのまま意識を吸い上げられそうになってしまう。
そこに、眠気を一気に吹っ飛ばしてくれる人物が現れた。

『室長、起きてますか?』
『リーバー君っ!起きてるよっ!』

突っ伏していた体を何とか起こして顔を上げると、同じように徹夜明けなのか、眠たそうな顔をしているリーバー君。
僕の愛する大事な恋人。

『あー起きてるならよかった…。』
『まだ終らないかね…って、それ、何?』

近寄ってくるリーバー君は、手にトレーを持っていた。
そこには、白いポットとティーカップが二つ。
直ぐ傍まできたリーバー君の腰を抱き寄せながら問いかけると、片手でトレーを持って、真っ赤になった彼は僕の頭を拳骨で殴った。
ゴチっ★

『痛ぁ〜;;』
『本当にどうしてあんたはそういうことを平気でするんですかっ!!??///』
『だって、僕はリーバー君に24時間365日ずっとずっとず〜っと触ってたいんだよ?それを、恥ずかしがり屋のリーバー君のために毎日毎日毎日ま…』
『分かりましたからっ!!///』

真っ赤な顔をしているリーバー君に、僕は並々気持ちが膨らんでいく。
見た目はこんなに格好良くて、きっと出会う前は恋愛だってそれなりにしてきたはずなのに、リーバー君はこんなに初心で、可愛らしい。
寝不足で判断力に欠けている頭は、最早今しがた怒られたことすら忘れて、愛する人の温もりを求める。

『りーばーくぅんVv』
『あーもー…好きにして下さいよもう…///』

あれ?
いつも以上に諦めが早い。
真っ赤な顔を見上げれば、その目は本当に眠いのかとろん…としていて、思わず情欲に火が付いてしまいそうになる。

『今、ロクなこと考えてないでしょう?』
『あ、バレた?今のリーバー君凄く可愛いなって思ってねVv』
『はいはい…///』

照れてる照れてるVv
本当に可愛いなーもー。
そう思ってリーバー君を観察してると、彼はティーカップになにやら液体を注ぎ始めた。
ふわっと香る甘い香り。
これは…

『ミルクティー?』
『はい。最近まともに食事してないから、せめて糖分を取れってジェリーさんが。室長も、食事してないでしょう?コーヒーはブラックだし、糖分全然取れてないじゃないですか。糖分は頭を活性化させるのに良いらしいですよ?』

そう言って、リーバー君は湯気の立っているカップを僕に差し出した。
それを受け取って中を覗き込むと、いつもの濃い琥珀色の液体じゃない、ミルクの入った何とも甘そうな液体。
リーバー君も自分の分を注いで、カップに口をつけようとしている。

『リーバー君。』
『え、はい?』

飲もうとしてるのを中断させて、こちらに顔を向けた彼に飛び切りの笑顔を向けて膝を叩く。
僕の意図がわかったのか、リーバー君は真っ赤になって首をブンブン振り拒絶する。

『いっ嫌ですよっ!!///』
『いいじゃんよーっ!!座ってよーっ!!』
『何でですかっ!?///』
『やだやだやだやだーーーッ!!!!リーバー君が座ってくれなきゃ飲まないもんッ!!』
『このクソ巻き毛室長がぁぁあああッッ!!!!///』






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