†NOVEL†

□†シルビア†
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■シルビア■

『リ〜バ〜くぅん★』

愛しのリーバーに会うために司令室から研究室へ足取り軽くやってきたコムイは、そこで大事な妹・リナリーと恋人のリーバーが楽しそうに談笑しているのを目撃してしまった。
可愛らしく笑って、両手でコーヒーの入ったカップを手渡すリナリーと、それを爽やかに笑って受け取るリーバー。
傍目から見ると、カップルのようにも見える。
しかも、周りには休憩中なのか誰もおらず、いい感じに二人っきりだ。
その瞬間に、コムイの中で明らかな嫉妬が生まれた。
いくら可愛い妹でも、リーバー君は僕のなんだからっ!!

『リーバー君っ!!』

『へ?室長?』

『兄さん?』

足早にリーバーに向かってくるコムイの少し怒りを含んだ表情に、リーバーとリナリーは呆気に取られたような顔で固まった。
そして、何かミスでもしてしまったのだろうかと考えたリーバーが謝ろうと立ち上がりかけたところで、コムイの長い腕に抱き締められた。

『しししし…っ、室長ッ!?///』

『あらVv』

真っ赤になって慌てているリーバーに、何だかいいものを見てしまったVvと言うように口元を押さえて笑うリナリー。

『リーバ君酷いよっ!!僕と言うものがありながら、リナリーと仲良くするなんてっ!!』

『はいっ!?;;ちょっ、室長っ!!離して下さいよっ!!///』

『浮気なんて許さないんだからっ!!』

『してないしてないしてないったらしてないっ!!!!とにかく離せーーーっ!!』

ごちっ!!★
振り回されていたリーバーの腕が、コムイの後頭部にクリティカルヒット★(ぇ
痛みに呻いて頭を押さえながら蹲っているコムイに、爆笑を堪えているリナリー。

『一体何の話なんですかっ!?///』

『だってだって〜…リーバー君とリナリーがラブラブしてるんだも〜ん(涙)』

『コーヒーを入れてもらっただけですっ!!』

『だってだってだってッッ!!周りに他の人たちいなかったし、二人っきりだったし…っ!!』

『だからって…リナリーはあんたの妹でしょうっ!!??』

『だからだよっ!!』

ヒートアップしてきた二人の言い合いに、当事者のリナリーはそろそろ止めないと、と思い。

ゲシッ!!★

『そこまで★』

『ぎゃあああッ!!!!』

コムイの尻を思い切り蹴り上げた(痛

『リーバー班長ごめんなさいね、馬鹿な兄で。』

『あ…、いや。リナリーは何も悪くないだろ。』

『いいえ。兄の不祥事は妹の不祥事、代わりに謝らせて。兄さん絶対に謝らないだろうから。』

蹴り上げられた尻を押さえて蹲っているコムイに冷たい一瞥を投げかけ、リナリーは笑顔でリーバーを見上げる。

『でも、分かってあげて。兄さんはリーバー班長が好きすぎるだけなの。』

『ぅ…///わ、分かってる…///』

『良かった★じゃあ、私はもう行くわね。』

そう言って軽やかにターンしたリナリーは、未だに蹲っているコムイの横にすっとしゃがんで

『リーバー班長の気持ち、少し考えてあげたら?兄さん?』

『え?』

『妹に焼きもちなんか妬いて、情けないわよ。』

優しい言葉を掛けてくれたかと思い顔を上げると、蔑むような笑みを浮かべているリナリーとバッチリ目が合い、思いっきり落ち込むコムイだった。


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