拍手小説
□拍手小説
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『よいしょ、っと。』
あ〜もうなんで私がゴミなんか捨てに行かなきゃいけないんだよ!
…ジャンケンで負けたからだけど!!
ゴミ箱は教室の前にある。
だから、教室の前の扉から出ればいいんだけど…
今は苦手な女子共がたむろしてるから、後ろの扉から出ることにした。
「いてっ」
ゴミ、大きいんです。
足元が見えなくて、誰かにぶつかったみたい。
「気をつけろよ」
『あら、北山だったの?小さくて気付かなかったわ。』
「てめぇ…。あれでしょ?確信犯なんでしょ?」
『は?なにが?』
「少しでも、俺と話したいから、わざとぶつかったんだろ?」
『うわ。流石、俺様北山。自意識過剰すぎ。』
「なに?図星つかれて口が悪くなっちゃった?」
『ここまで俺様だと、尊敬に値するわ。』
「お?マジだな?尊敬すんだな?」
『あ〜でも私、俺様になりたいわけじゃないからな…』
「てか、なんなよな!俺様なんかに。お前の王子は俺なんだし。」
『は?バッカじゃないの!? ゴミ捨てに行かなきゃ。』
「あっそ。行ってらっしゃい。」
『・・・・・・王子はこういうトコで「俺が持ってってやるよ」って言ってくれるんだけど?』
「お前、夢見すぎ!王子はゴミなんか持たないんだよ?」
『でも、王子様はお姫様に対して優しいんだよ?』
「誰が姫だよっ!? ま、俺の可愛い奴隷がそこまで言うなら、ゴミ捨てに行ってもいいか。」
『誰が奴隷だよ。』
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