サブ書庫(D.G)

□誰が為の
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(……あれ?)

止血もして貰ったし、ブックマンの無事も確認できた。リナリーはあの場から離れたがらないだろうが、これから救護班に手当てされるだろうし、ユウは治りが早いし足取りもしっかりしていたから、修練場か部屋に戻ったのだろう。まだ暫く警戒を解く事はできないが、それぞれ後は指示を待つしかない。ならば少しでも体を休めるため部屋に戻ろうかと歩き出して、ラビはふと年下のエクソシストの少年の姿を見ていないことに気が付いた。

ブックマンの安否を確認するためにさっさとあの場を離れたが、彼もそれなりに重傷だった気がする。まさかまだあの場から動けないのだろうか。

「リナリー。あんさ、アレン見てねぇ?」

大きな黒い瞳からはらはらと涙を零すリナリーに、少しばかり遠慮しつつ聞いてみる。僅かに彼女は表情を曇らせた。

「…ラビ。…アレン君は彼が、」

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