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突然足が止まった

涙はもう頬で乾いていた

進むしかないのなら

行くしかない

アリスは必死に自分に言い聞かせた

私は必ず帰る

だから主に会って帰り道を教えてもらう

私は絶対帰るんだ


***


アリスが森を進んで行くとひらけた広場に出た
暗い森の中なのにそこだけ陽が当たっていてまるで別の空間のようだ

しかしそこは明らかにおかしかった

広場の中央に大きな花が咲いている
アリスの背よりも一回り大きい花だ

アリスはそろそろと近寄ってみた


「何かご用?」


アリスが驚いて上を見上げると
花の上からひょっこりと少女が顔を出した

「ここはあたしの場所よ
ご用がないなら出て行ってくださる?」

少女は可愛らしい顔でアリスを見下ろした

「ごめんなさい
道に迷ってしまったの」

アリスがそう言うと少女はくすくすと笑った

「あなた迷子?この森に迷いこんでくるなんて小さいくせに悪いことでもしてきたのかしら」

少女は花からぐっと身を乗りだした

「ねぇあたし道を教えてあげる
だからあたしにあなたのお話をしなさいな
あたし今退屈していたところなのよ」

少女の物言いにアリスは腹が立ったがアリスはどの道を行けばいいか知りたかったので何も言わないことにした
あの白い蝶はまたいつの間にか消えていたのだ


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