short

□1
3ページ/14ページ


ただ蝶を追いかける

求めてもいないのに足は勝手に走り出していた


どれくらい走って来たのか

しばらくするとアリスははっとして立ち止まった

「ここは…何処?」

辺りを見回すも暗い暗い森が続いているだけ

「大きな森ね……」

その時アリスはここから出られるかしらと急に不安になった

「お母さんが心配するわ」

小さなアリスはだんだん心細くなってきて泣き出しそうになる

そんなとき


―――ガシャ


「!」


アリスは驚いて肩を震わせた

目の前の生い茂る茂みの中から何か壊したような音がしたのだ


―――ガシャ


アリスは茂みに目をこらす

しかし何も見えない

アリスは拳を固く握りしめるとゆっくりと茂みをかき分けた

…何も
…無い…?

確かにここから音がしたのに…

「…どんな?」

壊すような…

「何を?」

何か固い陶器みたいな…

「違うね
骨だ」

「!!!」

アリスは振り向こうとしたが駄目だった

顎をとてつもない力でおさえられている


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ