□総括:前半
4ページ/10ページ

<キャラクター>

本作のヒロインである彼女のテーマは「巻き込まれただけの一般人」。最初は何の特徴もない女の子として雛型を作り、そこから徐々に物語の進行に必要な要素を肉付けし、今のようなキャラクターとなりました。
最初期のプロットでは性別すら決まっていませんでしたが、インプモンのイメージができあがっていくうちに相方は「何となく女の子のほうがしっくり来る気がする」という理由で女子高生になりました。ちなみに16歳にしたことに深い理由はなかったりします。

上述の通りな巻き込まれ型主人公の上、本編冒頭で本人が言っているようにことなかれ主義であるため、序盤は完全に嫌々。中盤辺りから少し態度は軟化するものの、目的は一貫して「帰ること」です。世界の平和ではなく自分の平穏のため、それが彼女の基本スタンスなのです。

しかしだからと言ってそのために周りを蔑ろにできるような子ではなく、本当は本人が思っている以上のお人よし。インプモンへの態度は訳の分からない状況に巻き込まれた不安から。どちらかと言えば信用し、味方だと思っているからこその振る舞いなのです。
素直になるタイミングを逃しただけで、本音では頼りにしているし、心配もしているのです。そんな彼女だからこそインプモンの声も届いたのですが。


<ジェネラル>

第十六夜にて不本意ながら獲得した肩書き。
薄墨色のデジヴァイス“ディーチューナ”を持つゼブブナイツのジェネラルです。

ディーチューナはリリスモンがヒナタのケータイに仕込んでいたディースキャナのベースプログラムにベルゼブモンのデータが混じったことで、その“暴食”の能力を取り込んで生まれたヒナタ専用デジヴァイスです。デジメロディの録音・編曲・再生機能を持ち、デジメロディを調律することで仲間のパラメータをチューニングできます。
始めはパラメータのブースト。そのうち別のデジモンの装備や技の付与。更にジョグレスやデジクロスの真似事から、果てはダブルスピリットやバーストモードまで。歴代デジヴァイスでできたことは大体できるチートさです。ヒナタ自身というよりはデジヴァイスの力ですが。何せ七大魔王が持てる力のすべてを尽くしてサポートしているようなもの。伊達ではありません。
ちなみにディーチューナのデザインはほぼディースキャナそのままです。

大分初期から伏線を張っていた「デジメロディ」は当時放送中だったクロウォに乗っかった設定。
本作においては「デジコアの信号を振動=音として感知する能力」としております。本来は同じデジモンにしか感知できないデジコアのパルスを“音”という人間の五感に合わせた形に変えて知覚する、みたいな。
当初は「死にかけのデジモンを感知できる」程度でしたが、最終的には感知したデジメロディからデジコアの波長を読み解き「本質を看破する」能力にレベルアップ。もはやデジモンの知覚センサーより遥かに高精度です。しかし本人が言っているように無意識で、どちらかといえばパッシブなスキル。
“薔薇の明星”の決戦までにより高い精度と頻度でより広範囲から感知できるようにはなりましたが、能動的に使えないのは最後まで変わりません。

ちなみに本作におけるデジメロディのモチーフというか、イメージとして当初からあったのは「モスキート音」。大人になると聞き取れない周波数の虫の羽音に似た雑音です。
価値的にも“絶対音感”くらいのレアスキルではなく、そのくらい有り触れたものとしております。要はヒナタ以外にもデジメロディを聞き取れる子は結構いるのです。
ヒナタとインプモンの出会いも言ってしまえばお互いたまたまそこにいただけ。偶然と呼ぶか運命と呼ぶかは人それぞれですが、まあ、きっと当人はただの偶然と鼻で笑うでしょう。


<お姉ちゃん>



そして今回いい機会なので最後にご紹介するのはヒナタのお姉ちゃんでございます。
フルネームは「葵百合子(あおい・ゆりこ)」さん。18歳の大学生です。
才色兼備を絵に描いたような子ですが、人を疑うことを知らない危なっかしいお嬢さんです。妹はいつもはらはらしています。
デザインも妹とは大分ベクトルの違う感じ。ひそかに目の描き方だけはほぼ同じだったりしますが。
ちなみに名前の由来は「歩く姿は百合の花」と「揺り篭」。「百合花(ゆりか)」でもよかったのですが、「子」のほうが多少古風でも品がいい気がしたのでこちらになりました。「子のつく名前なんて今時だせえ」という風潮を嘆かわしく思うよんであります。


>>キャラクター総括:【インプモン】
 

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ