花札(パロ・長編)

□花札(こいこい6)
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 一方の上官達。
 「みんな、ごめんね。」
秋田が、謝れば、
 「おまえら、なんで・・・最後に負ける。」
と、頭をかかえる東海道。
 「だいたい、勝っているのに・・・」
と、言えば、
 「まあまあ、東海道。負けたのはしょうがないじゃん。」
と、東海道の声をさえぎり、やけに明るく言う山陽。そして、
 「これで、俺の番が・・・」
 「ないかもしれんぞ。」
と、今度は、東北が山陽の言葉をさえぎる。
 「え?なんで?」
と、東北に聞けば、
 「山形と、上越が負ければ、お前に回らない。」
と、言う。その言葉に、
 「その場合は、お前も出来ないけどな。」
と、すかさず、東北につっこみをいれる山陽。すると、あわてて、
 「それでは、どちらかが、勝てば・・・」
 「その時は、お前が、負ければ出来ないな。」
またも、つっこむ山陽。
 「では・・・」
と、三度、東北が言おうとすると、
 「ねぇー、さっきから聞いていると、何、僕達の事、負ける前提で話をしているの?」
と、上越が割り込む。そして、
 「だいたい、僕強いし、山形なんか、負けたとこ誰も見たことないじゃない。」
と、言えば、
 「それはそうだが・・・でも・・・」
と、まだ何か言いたそうな東北。そんな、東北に、
 「東北・・・おめさ、しづ礼だな。」
と、今まで、東海道の相手をしていた、山形が加わる。その、様子を見て、
 「東海道の機嫌、直ったのか?」
と、山陽が、あわてて、割り込むように、聞けば、
 「んだ。」
と、答えた山形。そして、
 「あいづに、必ず勝つ言ってしまったからな・・・」
と、つぶやき、
 「まあ、連敗さ、止めてくるべ。みんなの為に。」
と、続けた。
 
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