花札(パロ・長編)
□花札(こいこい4)
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札が、△□さんによって配られる。まず、親の埼京に、4枚。次に、子の長野に、4枚。そして、場に4枚。同じように、また4枚ずつ配られ、手札にそれぞれ8枚、場に8枚。これで、試合スタートだ。
「それでは、埼京線からどうぞ。」
△□さんに言われ、埼京は、
「はい。」
と、言いつつ札を見る。
(同じのを合わせればいいんだよね。)
と、思い、出したのは、松の二十点札。そして、そのままの状態でいる。△□さんが、
「めくって下さい。」
と、言えば、きょとんとする埼京。その瞬間、部屋で、モニター観戦している在来線はもちろん、会場で、観戦している上官達も気付く。
(こいつ、ド素人。)
静かに、△□さんが言う。
「埼京線。この山になっている札から、上の1枚をめくって下さい。」
あわてて、札をめくる、埼京。萩の十点札があたる。しかし、またボーッとする埼京。それを見かねて、
「埼京線、私が、手伝いますから、一緒に並べて下さい。」
と、言い、取った札を△□さんに教えて貰いながら並べ始めた埼京だった。