花札(学園ものパロ・長編)

□牡丹の話
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 今日は、とても暑い日だった。
 「『牡丹』が外れた・・・」
秋田先輩が、すごく悔しがっている。それも、そのはず、『牡丹』の札がくれば、『猪鹿蝶』で、僕の負けだったのに・・・
 「秋田、おめさは、本当に運がないべ」
僕と、秋田先輩の試合を見ていた山形先輩が言えば、同じく、試合を見ていた上越先輩も、
 「本当だよね」
後、一歩で勝てるのに、爪が甘いんだよね。と、Yシャツのボタンを外しながら言う。その姿をチラっと見て
 「上越・・・ぼたんはずしすぎ」
と、秋田先輩が言うと、
 「それはどっち?」
Yシャツ?それとも、札?と聞く上越先輩。それを聞き、僕も、ハっと思い出す。
 (そういえば、上越先輩は、さっきから『牡丹』の札を外してばかりいる)
すると、秋田先輩は、少し怒った口調で、
 「どっちもだよ」
と、言い放った。
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