盆太鼓(パロ・長・中編)

□1曲ずつみんなで練習してみた(東京音頭2)
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 「では、誰がトップバッターでいく?」
東海道が、順番に同僚の顔を見回す。これから、「誰が、リズム感が悪いのか?」という、バツゲーム?的な原因追究が始まるのだ。それを、みんなわかっているのか、全員が下を向いていて、視線を合わせてくれない。かろうじて、秋田が、
 「リーダーなんだから、東海道がやれば?」
そう言っただけだ。すると、私がトップなど冗談ではないという顔をする。しばらく、そうしていたが、
 「俺がやるよ」
ポツンと山陽が言い、顔を上げる。そして、太鼓の傍に行き、
 「東海道。始めようぜ」
そう声をかければ、みんな、ホッとしたような顔をした。


 「あまり、うまくないな」
山陽が、打ち終わった途端、東海道に言われ、
 「なんか、つまらないよね」
もっと、すごいの期待してたんだけど。と上越。
 「何、お前ら、トップでやったのに、この仕打ちですか?」
山陽が、がっかりして、ため息をつけば、
 「でも、山陽じゃないよね」
 「んだな。リズムさ、あってたし」
秋田と、山形に言われて、ホッとする山陽。
 (俺じゃなかったんだ)
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