盆太鼓(パロ・長・中編)

□1曲ずつみんなで練習してみた(プロローグ編)
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 「そういえば、盆踊りの曲って何か聞いた?」
上越が、太鼓を叩くのを止めて、東北に聞けば、
 「否、何も聞いてない」
同じ様に太鼓を叩くのを止めて、答える東北。あの後、二人につられるように、他の三人もそれぞれ、1台ずつ好き勝手に太鼓を叩いていたのだ。
 「じゃあ、山形。何か東海道から聞いてない?」
今度は、山形の方に、話を振った上越だったが、
 「んだなぁ・・・何も聞いてねぇべ」
これまた、叩く手を止めて答えられてしまう。
 「そっかぁ・・・時間がないから早く練習したかったんだけど・・・」
ため息を一つつき上越がそう言った途端、
 「痛ーい!!!」
急に大声を上げる秋田。その言葉に、何があったと、四人が近づいてみれば、手袋をして叩いてたはずなのに、秋田の両手が、豆だらけになっていた。おまけにいくつかは、つぶれて血が出ていて・・・
 「秋田・・・君、どれだけ強く叩いたのさ?」
上越が、あきれたような表情をして聞き、長野が、
 「とても痛そうです」
と、つぶやいた途端、
 「みんな、そろっているな」
と、ズカズカ部屋に入ってきた東海道と、
 「すげーな。この数の太鼓」
辺りを見回し、少し驚きながら入ってきた山陽。その二人に、
 「お疲れ」「お疲れ様です」
と、声をかける東の上官達。
 「さて、これから、練習するぞ」
東海道が、声をかければ、
 「東海道。練習するところ悪いけ、救急箱さ、取ってぐる」
と、山形が、部屋を出ていく。そこへ、
 「何かあった?」
と、聞く山陽。すると、視線だけで、秋田の手を示す、東北。
 「どうしたんだ。お前」
その手を見て驚く、東海道。そんな、東海道に、
 「ちょっと、豆つぶしただけだよ」
と、言い少し首をかしげる。
 「みんな、おおげさなんだよね。」
と、続けたところへ、山形が救急箱を持って、戻ってくる。そして、一言言う。
 「秋田。手さ出せ」  
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