いつもの日常(長・中編)

□成人の日
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 「そんな事がありまして」
別の日、東海道と、山形がいない事を確認して、他の同僚達に話す山陽。
 「それって、僕達の時もやらなかった?」
約10年前に同じ事やったよ。と上越が言えば、そうだったか?と聞く、同開業年の東北。
山陽も、やったような、やらなかったようなと考えていたところで、
 「それで、山形はどうしたの?そのスーツ」
興味深々で聞いてくる秋田。すると、遠い目をして山陽が続ける。


 あの後・・・
 (どうすべ。このスーツ)
山陽が、あんな状態になったとはいえ、着るわけいかねえべ。なんて思っていると、
 「山形。どうしたのだ?そのスーツ」
目を丸くして、上官室に入ってきた東海道に声をかけられる。すると、
 「東海道。いい所に来た」
まさに、神とばかりに、山陽が、体を起こし、復活する。そして、東海道に事の説明をし、
 「東海道だって、見たいだろ?山形のスーツす・が・た♡」
と、懐柔しにかかる。
 「そういう訳だから、東海道からも頼むよ」
な。と、手を合わせて山陽が言えば、
 「わかった」
頷く東海道。そして、一言。
 「山形。私の為にスーツを着てくれ」
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