短編(PART1)

□糸飴
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 盛岡支社での会議が予想より早く終わってしまい、時間を持て余す、秋田と東北。
 「ねえ、東北。なんかお腹すかない?」
小腹を押さえながら、秋田が聞けば、無言で頷く東北。夕飯時には、少し早い。
 「出来れば甘い物がいいな・・・」
ケーキとかと、秋田が言いつつ、2人で盛岡の街をぶらつく事にした。

 10月とはいえ、(少し風が冷たいな・・・)と、東北が思った時、
 「東北、なつかしくない?」
と、秋田に声をかけられる。見れば、1件の駄菓子屋の前。
 「ごめん下さい。」
と、奥に声をかけ、挨拶して店に入る秋田。東北も、ちょっと頭を下げてお店に入る。
 「わあー。いっぱいある。」
どれにしようかなと、物色しつつも、手当り次第、籠の中にたくさんの駄菓子を入れる秋田。それを、あきれながら見つつ、東北も、籠に駄菓子を入れていく。そして、ふと
 「秋田。これ、やってみないか?」
と、声をかける。
 「何?」
なんか、面白い物でもあった?と秋田が近づけば、そこには、『糸飴』と書かれていて、
『うまくすれば、大きな飴がもらえます』
と、達筆な文字で書かれていた。それを見て、
 「へえー、面白いね。」
1回やってみようか?と言えば、
 「どちらが、大きいのをとれるかだな。」
と、東北も応じる。すると、
 「僕の方が大きいに、決まってるじゃない。」
だって、小さければ何回も挑戦するし・・・なんて、笑いながら、店員に声をかけた秋田だった。

END

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