短編(PART1)

□梅羊羹
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 朝の博多駅上官室。
「山陽。貴様にお土産をやろう。」
顔を合わせた瞬間に、九州新幹線が言えば、
 「ありがとうございます。」
と、ほぼ棒読みで礼を言い、律儀に手土産を受け取る山陽新幹線。
 (変な物じゃないよな?)
中身を確認しようと、土産物を開けようとすれば、
 「中は、羊羹だ。」
と、正体をばらす九州。そして、
 「うまいぞ。食べてみろ。」
と、続ける。
 (まさか、薬とか入ってないよな・・・?)
不安な顔をしつつ中身を取り出し、六切れになっている羊羹の内、一切れをつまみ、一口食べる山陽。その瞬間甘い羊羹の中に、梅の味が広がる。どうやら、梅羊羹らしい。 
 「うまい。」
と、言えば、
 「そうだろう。」
と、満足の様子で頷く九州。
 「なんたって、大宰府で買ってきたからな。」
と、言う。しばらくして、
 「うまかった。ごちそう様。」
と、一切れ食べ終わり、山陽が立ち上がる。
 「じゃあ、乗車業務があるから。」
と、言い出て行こうとすると、
 「山陽。残さず、喰えよ。たたられるからな。」
と、九州が言えば、とたんに、青い顔をして、
 「嘘だろ。」
と、言って、その場で固まった山陽だった。

END

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