短編(PART1)
□山形新幹線のお弁当
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「秋田。待たせたべ。」
山形新幹線が、上官室に入るなり、秋田新幹線に声をかける。すると、
「ううん。僕も、今、来た所だから。」
と、秋田が言い、続けて、
「僕、お腹ぺこぺこなんだよね。早く食べたいんだけど。」
と、せかす。今は、昼食時。
「明日の昼、一緒に食べない?」
と、秋田が言って、山形を誘ったのが、昨日の夕方の事。
「そんだら、弁当さ作って、交換するべ。」
と、山形が、提案すると、秋田が、
「それ、いいね。」
と、乗ってきた。
そして、今に至る。
「じゃあ、山形の弁当から、先に見ようか。」
と、秋田が言えば、
「普通は、誘った方からだべ。」
と、苦笑しつつ、弁当を開ける山形。そこには、筍ごはんと、山菜の天麩羅。
「筍ごはんって美味しいよね。それに、菜の花の天麩羅と、ふきのとうの天麩羅も、春らしいし。」
と、言いつつ、山形が食べる前に、一口、つまみ食いをした秋田だった。
END