花札(パロ・長編)

□花札(こいこい8)
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 高崎は、固まっていた。
 (そもそも、上越スペシャルなんてあったけ?)
確かに、上越は対戦する前ルール変更をした。その時、こう言った。
 「桜の二十点札と、菖蒲の十点札と、萩の十点札で七五三だからね。」
と。今、上越が取った札には、三枚がきちんとそろっている。その瞬間、顔色を変え、高崎がおそるおそる聞く。
 「上官。それ、役そろってますよね?」
 「そうだよ。上越スペシャル。」
また、にこっと笑い、同じ言葉を繰り返す上越。そして、審判の△□さんに、
 「ルールだからね。」
と、言えば、
 「そうですね。」
と、頷く△□さん。
 「えっと、七五三でしたよね・・・得点は5点でよかったんですよね?」
と、確認しながら言葉を言っていく。
 「よって、43対39。勝者上越上官。」
と。しかし、この後とんでもない事態になるとは、誰も予想していなかった。
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