花札(パロ・長編)
□花札(こいこい7)
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「40点差なんて・・・」
部屋に、入ってくるなり、落ち込む山手(外回り)。内回りは、
「負けちゃった。ごめんね☆」
と、明るかったのに。
「しょうがないよ。相手は、山形上官だったし。」
と、なぐさめる京浜東北。しかし、
「40点差はないな。」
「ないよね。」
と、ジュニアと埼京。その、一方で、
「よかったね、高崎。これで君が負けても、安心だね。」
と、高崎に、声をかける宇都宮。ご機嫌なのは、花札が出来る事になったから。
「なっ・・・」
突然、声をかけられた為、声が出ない高崎。
「アレ?もしかして、勝つ気でいたの?上官に?」
と、聞けば、
「・・・」
また、声が出ない高崎。そんな高崎に、
「高崎。君、勝ってね。あの上官が、君に負けた時、どんな顔をするか見たいから。」
一方、上官達。
「さすが、山形だ。」
と、機嫌がすごくいい東海道。すると、
「ホント、山形だよね。ちゃんと勝ってきたんだから。」
と、秋田。その横で、
「初勝利ですね。」
と、長野が言う。とてもうれしそうだ。
「それにしても、40点差か・・・」
と、山陽が言えば、
「そんなに、ついただか?」
と、山形。そして、
「勝てて、よかったべ。」
と、微笑む。そんな、やり取りを見つつ、
「よかったね、東北。花札出来て。」
と、上越が、東北に声をかければ、
「ああ」
と、頷く。そして、
「その前に、おまえだろ、上越。」
と、続ける。
「そういえばそうだね。」
と、言い
「じゃあ、行ってくるね。」
と、背をむける上越。その背中に、
「勝てよ。」
と、一言、エールを送った東北だった。