盆太鼓(パロ・長・中編)

□1曲ずつみんなで練習してみた(大東京音頭1)
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 「それでは、次の曲いくぞ」
東海道が言い、次の曲を流そうとすると、
 「東海道。今日の、練習はこれで止めたほうがいいべ」
と、山形に言われる。「何故?」と、聞こうとしたが、視線で理由を察する。おそらく、秋田の手の事だ。確かに、限界かもしれない。
 「そうだな」
『東京音頭』で、終わりにするか?とみんなに聞けば、当の秋田から言われる。
 「僕の手は、大丈夫だから、次の曲やろう」

 秋田の承諾によって、次の曲が流れる。次の曲は『大東京音頭』だ。これも、東京の盆踊りでは、定番の曲のはずだが、誰も知らないらしく、みな真剣に聞く。
 「この曲は難しいな・・・」
聞き終えた途端、東北が言えば、
 「そう?」
僕は、そうでもないけどと上越。
 「でも、さっきよりは難しいよ」
と、秋田。長野も、
 「難しいです」
と、言いうつむく。
 「んで、今回は、誰がトップバッターでやるんだ?」
そんな会話を聞きつつ、山陽が、みんなの顔を見まわしながら聞けば、
 「上越がトップバッターでやればいいべ」
と、山形が上越を指名する。すると秋田も、
 「そうだよね。この曲、難しいし」
上越が1番始めでいいよ。と、同感する。
 「と、いう訳で、お前が1番な」
頑張れと上越の肩を叩きながら山陽が言えば、
 「僕はいいって言ってないけど」
少し、口をとがらせながらも、太鼓の傍にいく上越だった。
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