盆太鼓(パロ・長・中編)
□1曲ずつみんなで練習してみた(東京音頭2)
1ページ/5ページ
曲が、流れ終わって、テープを止める東海道。
「では、まず、この『東京音頭』を練習する。山陽やってみろ」
テープを巻き戻しながら、山陽に言えば、
「ちょっと、待ってよ。みんなでやろうよ」
すかさず、提案をしてきた山陽。
「何?みんなで、だと」
「そうだよ。折角7台あるし」
効率的じゃん。そう言えば、ふむ。と考え、
「悪くはないな。では、みんな、太鼓の傍に行ってくれ」
その言葉で他の同僚達が、ゾロゾロと移動をする。
「用意はいいな?」
東海道がそう聞き、みんなが頷くと同時に、カセットのスイッチを入れた。
「だめだ。止め」
曲の途中だったが、あわてて、スイッチを止める東海道。
「曲がまったく聞こえないんだけど?」
秋田がみんなの気持ちを代弁して言う。一斉に叩いたせいか、曲が全く聞こえなかったのだ。
「ボリュームを上げれば、いいんでねぇ?」
山形がそう提案するも、
「耳がおかしくなります」
鼓膜を押さえながら言った長野の言葉で却下され、「それに」と、上越が続けて、
「誰か、わからないけど、リズムがあってないんだよね」
こっちの方が大問題だと思うけどと言えば、
「始めてだし、それは仕方ないんじゃないか」
山陽が言い、
「んだな。始めからできる奴なんていないべ」
頷く山形。
「まあ、どっちにしろ、全員で一斉にやるのは却下だな」
東海道が、最終的に結論を出した。