盆太鼓(パロ・長・中編)
□1曲ずつみんなで練習してみた(プロローグ編)
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防音完備完璧の上官達のひと部屋に、次々運ばれる太鼓。それを、黙って、眺めている東の上官5人。
「これで、全部ですので、失礼します」
作業が終わり、上官室を出て行った職員を見送ると、誰からともなくため息が出た。
「本当に、盆踊りの太鼓、僕達がやるんだね」
チラっと太鼓を見て、秋田が苦笑をする。並べられた太鼓は全部で7台。
「一人、1台ってことだな」
東北が、太鼓の数をかぞえながら言い、
「こうやって見ると、壮観だべ」
感想を漏らす山形。その横で、長野が、目を輝かせながら、1台の太鼓に近づき手袋をしたまま、手で叩けば、『ドーン』と思ったより、大きな音がして、吃驚している。すると、つられたように秋田も、別の1台の太鼓に近づき同じ様に、叩くと、『ドーーーン!!!』と、鼓膜を刺激するような大きな音がし、
「かなり大きな音がするんだね」
と、また苦笑をする。それを見て、
「秋田・・・」
「なんか、壊しそうだよね」
と、太鼓の心配を本気でする、東北と上越。そして、
「秋田先輩。すごいです」
と、再び、目を輝かす長野。そんな、手で太鼓を叩いた二人に向かって、
「手でねぐって、バチで叩かんと」
ホレと言って、バチを渡す山形。それを、受け取り、また、叩き始めた二人だった。