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□曳太鼓2(東海道Ver)
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曳太鼓(東海道Ver)

 「山形。曳太鼓というのは懐かしい物だな」
長野の付添で一緒に、街をねり歩いていた東海道が言えば、
 「そうけ?」
と、聞く山形。今は丁度休憩時。
 「うむ。すごく懐かしい。どこで、聞いたのだろう?」
東海道が、昔を思い出すように目を遠くにやれば、
 「どうですか?僕の曳太鼓?」
おずおず聞いてきた長野。その言葉で、現実に引き戻される。
 「完璧だぞ」
長野を褒め、
 「私も、叩きたくなった」
と、一歩踏み出せば、
 「東海道」
山形に声をかけられる。何だ?と、振り向けば、
 「今日は、とても、暑いけ。水分さ、補給せねば倒れるべ」
と言う。すると、それもそうだなと思い、水分を十分にとる東海道。そして、再び、叩きに行こうとする。それを見て、
 「東海道先輩。どうしたんですかね?」
目を丸くして、長野が、山形に聞けば、
 「んだなぁー」
あいまいに返事をする山形。そして、長野の腕を見て、
 「腕さ、大丈夫け?」
と聞く。
 「僕は、大丈夫です」
はっきり答えた長野に、山形が、笑みを浮かべたとたん、
 「出発します」
と、一緒に街を練り歩く職員に声をかけられる。
 「さて、東海道さ、つれ戻さねばな」
職員の言葉を聞き、一歩踏み出す山形。その、山形の耳に、さっきから、太鼓の音がしている。叩いているのは、もちろん東海道。
『ドンドンカッカッカッ・ドドドンカッカッカッ』

END

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