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□曳太鼓1(長野Ver)
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 曳太鼓(長野ver)
 『ドンドンカッカッカッ、ドドドンカッカッカッ』
東京駅を中心に太鼓の音が街中に響く。叩いているのは、高速鉄道最年少長野新幹線。

 「長野。実は、頼みたい事がある」
 高速鉄道リーダー、東海道新幹線に言われたのは、お祭りの一週間前。僕に頼みたい事ってなんだろう?と、長野が首をかしげていると、
 「今年は、復興祭もかねて、盆太鼓と共に、曳太鼓というのもやるらしくてな」
東海道が話し続ける。どうやら、曳太鼓というのを長野にやらせたいらしい。
 「僕じゃなきゃダメですか?」
と、聞けば、長野以外ダメだと言う。それに、神聖な物だし、客引きの意味もあると言われてしまえば、
 「わかりました。引き受けます」
しか言えなかった。

 祭り当日・・・
 「これが、曳太鼓ですか?」
 長野の面倒もかねて着いてきた東海道と、山形新幹線に聞けば、そうだと、東海道が答える。その言葉に、確かにこれは僕しか叩けないなと、長野は思う。それは、曳太鼓が乗っている山車があまりに小さかったからだ。あきらかに、子供サイズで作られている。子供なら、四人位乗れるだろうが、大人なら、せいぜい成人女性一人だろう。
 「長野、気をつけるだず」
山形に、そう言われ、東海道には、
 「楽しんでやってこい」
と、言われる。その言葉に大きく頷く長野。そう、今日はお祭りなのだ。客引きもとても大事だが、それ以前に自分が楽しまなければ・・・
それに、そうじゃないと他の先輩達に申し訳ないと思う。この為に、いろいろやりくりしてくれたのだから。

END

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