散りゆく運命
□代わり映えしない日常
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いつも通り1日を過ごしていても、夢のない私にとっては何の目的もなく目標すらない退屈な日々…
───つまらない。
そう感じていた
ただ、そんな私に唯一興味を惹き付け続けていたのが剣道だった
実家が古くから続く道場ということもあり、物心がつく前から竹刀や木刀を握っていた
ただ厳しいだけの父から剣道を教わるよりも、厳しいながらに時折誉めてくれる祖父から教わる方がよっぽど多く、楽しかったように思う
私には剣道をやっている時だけは"強くなりたい"という目標があった
そんな剣道を続けてきたのは、ただ実家が道場だったからというのではなく、
強くなって、もっともっとたくさんの強敵と試合をして勝ちたいという純粋な思いだった
それが裏目に出たのは3年生の引退試合、総体の全国大会だった
私が個人の部で日本一になり、もっと強い相手と競いたいという目標が事実上無理になってしまったのだ
(その総体では私達2年生が引退するわけではないのだが)
目標が無くなった以上剣道を続けることに疑問を感じて、3年生が引退すると同時に私も剣道部を退部した
が、実家の道場では祖父の指導の下、剣道を続けている
理由としては、まあ祖父に一度も勝てた試しが無いから、だろうな
祖父に勝てるまでは続けたいと思う、さしずめ、今の目標は祖父だ