木の葉創設期夢

□癒し
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「うちは名無しただ今戻りました。」

「ご苦労様です」

「あの…報告なんですけど、後ででもいいでしょうか?」

「かまいませんが、どうかしましたか?」

「ちょっと怪我しちゃって…ははは。」
 
「大丈夫ですか!?」

「あ、全然怪我は平気なんですけどね。それよりちょっと疲れちゃって…」

「ゆっくり休んでくださいね。千手との戦いも今は一息ついていますし。」

「ありがとう」



今回の任務はいたって簡単なものだった。
ただ、長期というのもあって最後に少しばかり気を抜いてしまった。
お陰でこの様だ…
こんな任務で怪我を負うなんて、ダメだな。

ここ最近任務詰めだったのもあって
今はもうクタクタだった
まさに体に鞭打って歩いてる状態。
早く家に帰って休もう…
私の頭の中にはもうそのことしかなかった。



「ふぅ…ただいま。」



そう独り言を呟きながら部屋へと向かう
慣れとは恐ろしいもので
この行為ももう習慣付いてしまったものだ。



「あー疲れた。お風呂入って寝よ」



またまた1人呟いてお風呂場へと向かう
疲れきった体に熱いお湯がしみる…
否、任務で負った傷にしみているのだろうか?

今度こそゆっくり寝るとしよう。
そう思っていたのに、
ことはなかなか思うようには進んでくれないものだ。



「あのー。マダラさん?」

「名無し!!怪我をしたと聞いた」

「あ、まぁ…大した怪我じゃないからさι」

「どこが痛いんだ?俺に診せろ」



いつものマダラとは打って変わった表情…
本気で心配してくれるのは嬉しいんだけど
本当に何ともないからιι
むしろ早く寝かせてくれた方が私にとってはありがたい。

そんな私の思いなんて知るよしもないマダラ
あ、ついに傷を見つけたな…



「だから言ったでしょ、たいした怪我じゃないって」

「怪我に大したも何もない」



怪我は怪我だ!!
痛いだろうと、ずっと問いかけてくるマダラ
だから大丈夫だって、
どんだけ心配性なんだか…



「てかマダラ、仕事は?」

「イズナに押し付けてきた」

「こらー。君は何をやってるんだιι」

「それだけお前が心配なんだ…」



気持ちは嬉しいんだけどさ…
これで何回目よ、
私またイズナさんに怒られちゃうよ(泣)
あの人は怒らせると怖いんだよ?
正座させられた状態で何時間にも及ぶお説教が…
……考えただけでも足がつりそうだ。

これから起こるであろうことを考えていると
マダラが引っ付いてきた。



「女々しい俺を許せ…お前に逢えなくて寂しかった」

「たかが2週間でしょ」

「すまない、怪我にさわるな」

「私、疲れたから早く寝たい。」

「お前は寂しくなかったのか?」



完璧に会話がかみ合っていないが、いつものことだ
寂しかったと伝えるとマダラは満足そうに笑った
その顔につられて私の顔も自然と笑顔になる。

何だかんだでマダラは私の疲れを1番癒してくれる。
少しタイミングが悪いことが多いが…



「マダラ、私もう眠いよ…」

「俺もだ。」



後から聞いた話だと
マダラは私が帰ってくる2日も前から1番に出迎えようと待っていてくれたとか…
嬉しいけど、なんて迷惑な……
お陰で私はあと3時間くらいはイズナさんのお説教を聞かされそうです。








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