木の葉創設期夢

□あなたの優しさ
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「うちはの戦力もだいぶ落ちてきたようだな」



そう言いながら扉間は全身を覆うような鎧を外していく
その動作によって彼自身が負った生々しい傷が露になってゆく
私はその痛々しい傷1つ1つを得意の医療忍術で治療していく



「すまないな、名無し」

「いいえ、私にできるのはこれくらいだから」



できれば私だって戦いたい
扉間の…千手の力になりたい…
でも私の力では足手まといになるのは分かっているから。



「もうすぐ戦いも終わる…いや、終わらせる」

「無理はしないでね…扉間がいなくなったら私…」



言葉を濁らせると扉間は優しく抱きしめてくれた
その優しさが大好きな反面、私はいつも不安を覚える。

大丈夫。そう伝わると共に、さようならの意味もあるのではないかと…
これが最後になってしまったらと深読みをしてしまう。
この優しさが私には怖かった。



「大丈夫だ、俺は名無しを残して死んだりはしない」

「でもやっぱり不安よ…私には扉間が……っ!!」



会話の途中、強引なキスで言葉を止められた



「知っている…俺にも名無ししかいない」



そう言って得意げに笑う扉間に私は不思議と安心感を覚えた



「この戦いが終わったら祝言をあげるのだからな」

「え、扉間…何て?」

「これはもう決定事項だ」



そんな少し強引なあなたに私はいつも元気付けられる。





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