木の葉創設期夢
□願い
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「名無し??」
「イズナさん…ここにいるよ」
「よかった…」
イズナさんは視力を失ったマダラに自らの目を差し出した…
すべて彼自身が決めたことだ
私は正直最初は嫌で嫌で仕方が無かった…それがうちはを救うただ一つの方法だったとしても…
逆にどこの世界に自分の親しい人の目が無くなって喜ぶ人がいるだろうか…
「今日は目痛まない??」
「大丈夫だよ…ありがとうね」
私はマダラの代わりに視力を失ってしまった彼に何かできる事があったら言ってくれといつも言うが…
彼は大丈夫の一点張りで私に頼ってはくれない…
そんなに私は信用が無いのだろうか…??
まぁ私達は付き合っているわけでもないのだが、昔から仲が良かったので今もこうして一緒に居る
私は彼に頼って欲しいのに…
「ねぇ…名無し??」
「どうしたの??」
「あの…ね………」
イズナさんが言葉を詰まらせるなんて珍しい…
言葉を途切途切れに一生懸命繋いでいく彼は普段とは比べ物にならないくらい弱くって、何だか少し可愛いとも思ってしまう
そしてそんな彼を見ていると今度こそ何か私に頼みがあるのでは…と期待してしまう
「どうしても聞いて欲しいことがあるんだ…」
「いいよ!!もちろん何でも聞くよ!!」
彼は普段からお願いなんてしないから私は少し驚いて返した声が大きくなってしまった
私が聞くというと彼は微笑んでからまた言葉を繋ぎだした…
「僕…どうしても欲しいものがあるんだ…」
「なになに!?」
「……名無しが欲しいんだ…」
「………へ……………??」
今なんて言った??
イズナさんが私を欲しい…??
イズナさんにとって私ってそんな対象だったんだ……
普段、物欲の無いイズナさんだから絶対に叶えてあげたいと思った…
私が用意できるものなら全てあげようと思った…
でも、あなたの欲するものは予想も付かないもので…
「あの…一晩…一晩だけ…ダメかな??」
「…………」
たとえ心の無い行為だと分かっていても
あなたにそんな事言われたら断れるわけが無い…
だって私は…
「………いいよ…イズナさんにあげるよ…」
あなたのことがどうしよもなく好きだから…