木の葉創設期夢

□帰る場所
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「準備できた…兄さん…?」

「あぁ…」



今日においてうちはと千手は幾多の戦いを繰り広げていた
今日も千手との戦いが繰り広げられる

うちはの頭領であるマダラは弟のイズナ…
そして戦闘能力にたけたうちはのものを引きつれ千手のもとへと向かうところであった


「兄さん……本当に…その……」

「それ以上言うなイズナ……」

「でもやっぱり……!!」

「これは俺が決めた道だ!!口を挟むな!!」



マダラは気が立っているようで弟であるイズナに当っていた
イズナ以外の者達もいたたまれないような表情でマダラを見つめる



「これがあいつにとって一番良い道なんだ…俺はあいつのためと思ってこうしたのだ」


だからこれ以上なにも言うな……
そういったマダラの表情は誰にも読めなかった


「兄さん………」

「では…行くぞ……これはうちはの名を賭けた戦いだ!!今こそ千手にうちはの本当の力を見せ付けるのだ!!」


マダラの声と共に多くの声があがった


「っ兄さん!!」

「何だイズ…ナ…………名無し…」

『マダラ……これ…』


名無しがマダラに渡したものは手作りのお守りだった
名無しは照れているのか未だ下を向いたままだった


『マダラ……』

「なぜ…来たんだ……言っただろう」

「名無しは兄さんの事を想って!!だからっ!!」

『いいのイズナさん……私が勝手に来ちゃったんだから…私が悪いの…』


名無しに好意を抱いていたのはマダラだけではなかった
イズナも彼女がマダラの恋人だと知っていながら名無しの事を好きだった
だから2人には幸せになってもらいたいと思っていたのだ


「名無し……俺たちはもぅ終わったんだ…」

『嫌だ、私そんなの納得できない』

「俺は戦乱の中に生きる……お前には幸せになってもらいたいんだ…」

『マダラがいないと幸せなんて何もない…私にとってマダラは全てだから…だからっ』


ついに名無しの目から大粒の涙が零れ落ちて地面へと斑点模様を作る
そんな名無しの姿を見たイズナもついにしびれを切らし…



「兄さんじゃなきゃダメかな…?僕じゃあ…?」

『へっ……』


イズナの突然の告白に驚きの表情を隠せない一同であった
もちろんマダラもその1人であった…


『イズナさん……じょ、冗談はやめてよ…笑えないよ…』


“もぅやだなぁ〜”
そう笑って誤魔化す名無しにイズナは言った


「僕の気持ちは冗談なんかじゃないよ……全部本気……名無しの事が好きだから…」

『イズナさん……そんな…』

「僕と一緒に居れば絶対後悔はさせない、絶対悲しい思いはさせない…だから「イズナ…」


口を開いたのはマダラであった


「こいつは……名無しは俺の女だ…」

マダラの言葉にイズナは予想していたかの様に
やれやれと呟く…

「………まったく…兄さん達は本当に世話が焼けるな……」


マダラの言葉に目を丸くする名無し
イズナはマダラの性格を知っていてか
あえて今、名無しに思いを告げたのだ
2人が幸せになってくれるように…


『マダラ……』

「俺はお前のことを愛している…誰よりもな……だからこそお前には幸せになってほしかったんだ…」

『マダラが選んだ道なんか、私にとっての幸せなんかじゃない…マダラがいない世界なんて私は要らない』


“そんな世界で私は生きていられない”
そう言い切る前に名無しはマダラに強く抱きしめられた


「すまなかった…俺の独りよがりでしかなかった…もう一度、俺を待っててくれるか?」

『もちろん…いつまでも待つよ…マダラのためなら……』

「待っててくれ……俺は必ず帰る…お前のいる場所にな……」


そう言うとマダラは視線を流し、唇を真一文字に結び、改めて一族のものに言い直した


「これより我らうちは一族は千手の元へ向かう…必ず里へは戻る……いいな!!!」




そうしてマダラ率いるうちはの小隊は千手の元へと静かに歩いていった
一族を……愛するものを守る為に











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