ペルソナ4 短編
□黄昏に堕ちて
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"彼"が私に触れる。
外見からは想像出来ないほどに、優しく。
どうして私が"彼"と共に居るのか、自分でも分からない。
唯一分かるとすれば、私は境界線ぎりぎりの所まで来ているという事。
私達は道を別つ存在であり、存在そのものが違う。
私は"ヒト"で、"彼"は"心"。
ヒトの人格――ペルソナ。
ヒトではない。
共に居られなどしない。
そんな事は分かっている筈だと言うのに、私は引き返さない。
きっと、この先に進めば戻れないだろう。
境界線を踏み越えれば最後、ヒトでもなく心でもない、半端なモノに成果ててしまう。
何にも属せず、何にも成れない。
それだけは、それだけは嫌だと思っていた筈なのに。
どうして、嫌だと感じなくなってしまったのだろう。