とある女神の創造世界
□レベル1
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ここに生きるその訳も
この場所で出会う全ても♪
ルカの携帯が鳴った。
電話のようだ。
「はい、緋色です。」
『貴方に仕事が入りました。今回は少し他の“グループには難しかったようです。』
「内容は?」
『第十学区と第九学区の境目となる路地でスキルアウトが暴れているのを止めて下さい。
相手はキャパシティダウンを所持しているようで能力者には少しきついです。
ですが貴方は能力者でも、効かないということでお願いします。』
「はい。すみませんが一つ頼んでも構いませんか?」
『なんでしょうか?』
「とある学校に入りたいのですが、その手続きをお願いできませんか?」
『わかりました。その学校は?』
「例の人物――幻想殺しが通っている高校です。」
『あそこには同じグループがいますから監視は必要ないと思いますが…?』
「監視ではなく、個人的にです。知り合いがいた方が少しは楽かと判断しました。」
『それもそうですね。わかりました。くれぐれも怪我はしないでください。
上から怒られたくはありませんからね。貴方は“天照”なんですから。』
「はい。それでは。」
ピッ、と電話を切る。
天照―日本の女神として有名な神。
正式名称は天照大神。
太陽神としても知られている天照はこの国で最高位にいる。
ルカの中にはそれがいる。
ロシアにサーシャ・クロイツェフという修道女がいる。
その修道女は大天使、ガブリエルが入っているらしい。
どちらにせよ、それほどの力を人間の中に留めておくのは困難。
いや、できるはずがない。
だが、サーシャとルカは異端だから留めることができた。
細かい説明などできない。
ありえない現象なのだから。
だからこそこの学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリーは
ルカを丁寧に、大切に扱っている。
この学園都市で天照が暴れれば横薙ぎ一つで全てを破壊できる。
学園都市外にまで届くかもしれない。
それほど危険な存在なのだ。
少女は身体の中にいるモノに対して、どう思って生きてきたのだろうか。