□RIDE2
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一方、櫂は学校で三和と話していた。




「なぁ櫂。やっぱりノチェが来ないのって昨日のが原因か?」

「……。」

「そういや、あいつが変わったのって2年前なんだよなー。
短いようで長いもんだ。ん?どうした?櫂。」

「2年前のヴァンガードの世界大会シングル戦で似たような力がでたと話題になった。
その力の所有者は黒魔術師を思わせるような黒マントを全身にかぶせていて、
その声は女の声。言語は日本語だったらしい。」

「まさか、それ…。」

「ノチェで間違いないだろう。その時付けられた名前が。」

「名前が?」

「KZGクオリア。Kは狂気、Zは絶望、Gは犠牲を司るという意味らしい。」

「マジかよそれ。で、解決策は?」

「無し。」

「即答かよ。そういやもうすぐショップ大会あったな。」

「……。」

「誘ってみるだけ誘おうぜ?」




櫂はため息をひとつ吐いた。





「家は知っているのか?」

「あ、そういや前と違うからなー。」




櫂は再びため息をついた。




「おーい。そんなにため息つくなってー!」

「ショップ大会はいつなんだ?」

「明日。」




ため息はやめて今度は諦めたような目で三和を見た。




「そっちの方が傷つくかもしんねぇ。」

「とりあえず、行くぞ。」

「どこに?」

「…着いて来い。」

「……(何する気だ櫂!?)」




櫂が向かった場所、それは職員室だった。




「おい。」




近くにいた担任の先生を呼び止めた。

それも思い切りタメ口で。




「郭ノチェの家に電話しろ。」

「え!?いやいや何を言ってるんだ?」

「お前に拒否権は無い。速くしろ。」

「「(脅しーーーーー!!?)」」

「聞こえなかったのか?速くしろ。」

「は、はいぃぃぃいい!!」




物凄い速さで電話をかける。

二、三回コール音が鳴った。




『何の用だ?』

「貸せ。俺だ。」




櫂は無理やり受話器を奪い取った。




『どういう風の吹き回しだ。』

「明日ショップ大会がある。必ず来い。」

『……。』

「選手としてじゃなくていい。見るだけでも見ろ。」

『面倒…』「学校にも来い。選手登録はどうするんだ?」『……。』




ノチェを含めた三人は思った。(先生も入る)

見るかやるかの強制(脅し)をしていると。




「おい櫂…。そりゃないんじゃねぇの?」

「黙れ三和。お前には関係ない。」

「関係大ありだっつーの!」

『…見る。』

「チッ。」

『「「(舌打ち!?)」」』

「絶対に来い。いいな?」

『……了解した。じゃあな。』




ブチ、と電話を切られた。




「強引…。」

「脅し…。」

「「(将来大丈夫か!?こいつ!!)」」

「三和、行くぞ。」

「はいはい。じゃ、失礼しましたー。」

「棒読み!?」




櫂は挨拶なしに職員室を後にした。

職員室にいた先生達は…。




「(問題を起こしませんように!!)」



と必死に願った。
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