黒い心

□5
1ページ/9ページ

一同唖然。

カカシでさえも破ることはできないという。

その事実にナルトは。





「ちくしょう…。だから何だってんだ。こんなとこでくたばってられっか。
オレにはかなえなきゃなんねェ夢があんのにィ…!」






その言葉で、白は何かを思い出していた。

ライも大方わかっていた。






「ボクにとって忍になりきる事は難しい。出来るなら君達を殺したくないし………。
けれど君達が向かってくるなら………ボクは刃で心を殺し、忍になりきる。
この橋はそれぞれの夢へとつながる戦いの場所。
ボクはボクの夢の為に、君達は君達の夢の為に。恨まないで下さい。
ボクは大切な人を護りたい…。その人の為に働き
その人の為に戦い、その人の夢を叶えたい…。それがボクの夢。
その為ならボクは忍になりきる。あなた達を殺します。」





その言葉にサスケもナルトも笑みを浮かべた。





「サスケ君!ナルトォ!ライ!そんな奴に負けないでェ!!」

「やめろサクラ。あの三人をけしかけるな!」

「え?」

「例え万に一つあの技を破る方法があったとしても
あいつらにあの少年は倒せない…。」

「!ど…どーゆーことよ?」

「あいつらにはまだ心を殺し、人を殺める精神力はない。
あの少年は忍の本当の苦悩をよく知っている。」

「………お前らみたいな平和ボケした里で本物の忍は育たない…。
忍の戦いにおいて最も重要な経験を積むことができないからだ。」

「じゃあどーすんのよォ、先生!!」

「…………。」





カカシは手を額宛にかけた。





「悪いが……一瞬で終わらせてもらうぞ。」

「クク…写輪眼…。芸の無ぇ奴だ。」





その頃、白との戦いでは。





「くっ…。おいサスケ!これじゃ逃げまわってるだけだってばよ!」

「黙って立て!お前のメンドーまで見きれねーぞ。多少の傷はやむを得ない。
とりあえず致命傷を避けて動くんだ!おそらくアイツの
チャクラにも限界がある!!現に少しずつ…。」





白が構えた。

ライは咄嗟に動いた。





「(来る!!)」





ライはサスケを飛ばした。

その後、サクラの声が聞こえた。

声、ではなく悲鳴だが。





「!!(今のはサクラの声!!何かあったのか!!カカシのヤローは何をしてる!?
畜生!このままじゃマジでヤバイ。ライはさっきから俺たちを庇ってる。
あれじゃあまり動かせない。となれば、俺が何とかするしかない。
目は不思議と慣れてきた…。)」

「(致命傷となる秘孔を狙っているのに…ことごとく外されている…。
それどころか仲間を気遣いながら戦っている。…だんだんとボクの動きを…。
あの少年と少女には、何かが見えている…!!)」

「(そろそろサスケも見えてきたか。全く、この私がこの目を開くとは。
私は弱くなってしまったというのか。はぁ…とりあえず、
サスケが完全ではないことには迂闊に攻撃は出来ない。)」





ナルトは立つことが困難になってきているようだ。





「(狙った急所をギリギリで全てはずされている…。素晴らしい動きです。)」

「うっ…。」

「君たちは…よく動く…。けれど次で止めます…。
(運動機能、反射神経、状況判断能力…。君達の全てはもう限界のハズ…。)」





白は千本を構えた。





「(来る!!落ち着け…集中しろ…そして見切れ!!)」

「(フッ…もういいか。)」




ライは簡単に避けた。

サスケはナルトを掴んで横へ避ける。





「(完全に見切った!?そんな……!!)」





白はサスケのほうへ目を向ける。

目が、赤くなっているのがわかる。

ライの方は元が赤いからか、わかりづらかったが模様が浮かんでいた。

銀色の三日月の模様がくっきりと。





「(あの両眼…まさか…!!写輪眼と鬼神眼…!!?)
…君達は……!!そうか…、君達も血継限界の血を…。
(何て子だ…まだ不完全だけど闘いの中でその才能を目覚めさせるなんて…。
あっちの子は完全形だ。前から開眼させていたのか…。)」

「(少しだが…見えた!!)」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ