黒い心

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私は有名な一族の子供だ。

なんでも、木の葉を支えているらしく、権力、お金、武力、
においてはどの一族よりも優れているらしい。

実際、私はどうでもいい。

この一族は、私のことなど道具、化け物としか見ていない。

必要最低限のことしか話さず、ひどければ鳥に手紙を持たせてくる。

そんな、生活を送っていた私に、唯一、友達と呼べる存在ができた。

うちは一族のサスケというものだ。

サスケと会ってからというものの、私は毎日会いに行った。

どうしても来てほしいと頼まれたからだ。

これは4歳の記憶。

それから一年、5歳になり中忍となった。

会いにいけるのは一週間に3日になってしまった。

そして、その年に事件が起きた。

大蛇丸というやつが攻めてきたらしい。

らしい、というのは記憶が曖昧で、そいつをみたのは一瞬だったからだ。

父とも呼べる存在ではない血の繋がったやつが私を殺そうとした。

どうやら、大蛇丸とやらは私を狙っているらしい。

父がクナイを私に投げたとき、私は避けることができなかった。

私の中にいる何かが外に出ようと暴れているからだ。

幸い、父は重症でクナイをまともに投げることができず、
私の右眼にあたっただけですんだ。

しかし、それでも失明は確定だ。

そこから、私は記憶がない。

自我が戻ったときは、一族全員が地面に倒れていた。

そして、私は血だらけだった。

そこに、一人、私に近づいてきた。




「思ったよりもすごいわ。でも、制御できないのは残念ね。」



私は感じた、こいつが大蛇丸なのだと。



「制御できるようになったら、また、迎えにいくわ。」



そいつはあっけなく去って行った。

私は冷静を装ったが内心、何もわからなかった。

ただ、わかったことと言えば、私の中に何かがいるということと
一族を滅ぼしてしまったということ。

そして、一人になってしまったということだった。

幼い私でもそれはわかった。

わかってしまった。

一瞬、サスケが思い浮かんだが、事実を知れば、離れていくと判断し
私の在り方とは、こんなものかと実感した。

そこに、ある奴が近寄ってきた。



「遅かったか。……こやつは…確か次期神宮家当主。
生き残っているのはこやつだけか。」

「皆死んだ。私が殺したんだ。」

「…そうか。……わしのところにくるか?」

「?」

「家無き者に手を差し伸べないほどわしは冷たくない。」

「火影様!それは……!」

「いいんじゃ。来るか来ないかはこやつがきめること。
口出しは無用じゃ。」

「……行く。利用できるものは利用する。」

「(こやつ、強いのぉ。)」

「……。」

「(プライドか、それとも失ったのか、泣かないとは。)
ついてくるんじゃよ。しっかりと。迷子にならんように。」

「そんなに子供ではない。」

「すまんすまん。」

「三代目。」

「何じゃ?」

「私を……暗部にいれてください。」

「正気か!確かに、実力は上忍以上じゃ。だが心が!」
「私の決定事項。前から考えていたことだ。」
「考えは変わらんのか?」

「私の考えは変わらない。」

「……、よかろう。今から、暗部名はキルじゃ。よいな?」

「了解。」
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