□RIDE1
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「きゃあああ!!」

「バケモノー!!」

「近づくんじゃねぇよ!」



私がハッと気づいた時には、周りは、周りにいた者は傷だらけだった。

ヴァンガードファイトをしていただけだというのに。

何故皆傷ついている?

何故私は無事なんだ?

何故…。





何故、私の周りには誰もいない?





孤独。

それまではタイシ、三和がいた。

だから、何も怖いものなど無かった。

櫂もいつかは戻ってきてくれると思っていた。

だが、ここまでやってしまったら…。

いくら私を今まで守ってきて、共にいたあの二人でさえ
いなくなるに決まっている。

しかし、私が最も恐れているのは。

人を傷つけてしまうことなのだろう。

私はあの時わかったんだ。

ヴァンガードファイトをすれば私と戦った相手が傷ついていく。

だから、私はヴァンガードを封印した。

やらないことにした。

それが、最良の選択なのだろうと結論付けた。





「…夢、か。」




ノチェは目が覚めて外を見た。

そこに映るのは青空ではなく、二人が笑って傍にいたときのもの。

そして、昨日あの二人が話していたことのものだった。

三和の推測、というより三和が話したことは大方あっている。

ノチェのもっている力で相手を傷つけた。

そこまでは簡単に予想はできるだろう。




「だが、そのダメージとヴァンガードの関連はわからないだろうな。」




そう、ノチェがもっている力はまだ名前は無いがつけるとしたら

KZGクオリア。

Kは狂気。

Zは絶望。

Gは犠牲。

この力を使う者は狂い、犠牲を払ってでも勝利し、相手に絶望を与えるというものだ。

ノチェはこのことからもう、誰とも関わらないことを決めた。

例え、それが大切なものだったとしても。

例え、それが守るべきものだったとしても。

例え、それを失うことで、自分がおかしくなったとしても。

どうせ傷つけてしまうのならば、マシな方を選べばいい。

相手にあまりダメージが行かないほうを選べばいい。

傷ついてほしくは無い。




「絆は全て断ち切る。」




全ては二人のためなのだ。

学校に行く為に、玄関のドアを開けた。
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