□RIDE0
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「よォ!ノチェ!」



三和タイシがノチェと呼ばれる少女に声をかけた。



「クラスどこだった?」

「……。」



クラスと名前が書いてある掲示板の一点を指で指した。




「俺と同じクラスかー。またよろしくな!」



少女は頷くだけだった。

教室に着くと黒板に席の場所が書かれたプリントが貼られていた。



「あちゃー、席は少し遠いなー。」



少女は無言で自分の席へと向かった。

隣には幼馴染の櫂トシキがいた。



「お!櫂!久しぶりじゃねェか。」

「…あぁ。」

「あ、あれ?感動の再会だってのにそっけない…。ってノチェは!?」

「お前の後ろだ。」



櫂の言うとおりノチェは三和の後ろにある自分の席にいた。



「こっちは挨拶も無しか…。やっぱ櫂でもないのかー。じゃあ何なんだ?」

「どうした?」

「いや、何でもねェよ。」

「放課後、話がある。」

「俺そんな趣味ないんだけど…。」

「……。」

「冗談だって!」



三和は櫂の睨みに少しびびった。




「いいな?」

「あぁ。わかったよ。」




ノチェは興味も示さずただ、本を読んでいた。


そして、放課後。

ノチェは帰り、三和と櫂は昔よく遊んだ公園へ行った。




「で、話って何だ?予想はつくけど。」

「あいつに何があった?まるで別人だ。」

「…やっぱりなー。それを俺に聞いても意味無いんだけどなー。」

「……。」

「そんな顔するなって!俺にもあいつに何があったのかわからねェんだ。
急に一週間休んだと思ったらあんな風になってた。」

「いつだ?」

「お前が転校してから二年後。お前がいなくなったショックでもないな、ありゃ。」



三和は全て話した。

櫂が転校してからノチェへのイジメがひどくなったこと。

休んで学校に来た時、右眼が眼帯で隠されていて今も着けていること。

名前で呼んでいたのに名字で呼ぶようになったこと。

別人になったように変わった性格のこと。

そして、ヴァンガードファイトをすることがなくなったこと。




「イジメじゃねェーのは確かだ。俺が守ってたしあいつ自体かなり強かった。
原因があるとしたら…親…いや、あいつらもありえる。」

「あるとしたら、じゃない。あるんだ。親はどうした?」

「死んだんだ。警察は自殺と断定したがありゃ事故…下手したら殺人だ。」

「あいつら、はなんだ?」

「中学で他の奴をイジメてたグループみたいなもんだ。
けど途中でそいつら全員転校した。ノチェが休んだ初日に。
バケモノがこのクラスにいるって言って転校した。だから、関係あると思うんだが。
あ、あの力ファイト中に何か問題起こすらしい。相手に怪我させたとか言ってた。」

「…(ノチェの力とレンの力は似ているがどこか違う。
レンの力は怪我までは与えない…。一体何があった、ノチェ?)」




その話を帰ったと思われたノチェが聞いていた。

そのことは誰も知らない。

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