頂き物
□キリ番ゲット墨村修史さん小説!
2ページ/3ページ
三男は、兄達の用に妖を退治にでたことはないが、いつかは行く事になる。
義父は、今は現役を退いたとはいえ、まだまだ力は健在で、たまに良守を手伝いに行っている。
それに比べて自分は。
不思議な能力が有るわけではなく、小説家として生計を支えているが、売れっ子とは程遠く、いつ連載が打ちきりになるかはわからない。家事は、一手に引き受けてはいるが、自分は何も、この家に貢献出来ていない。
「父さん、どうかした?」
良守が、修史の顔を覗きこみながら、聞いた。
「父さん、無理してる!」
そう言い切ってから、良守は少し悲しそうに、言う。
「俺、子供だから難しいことはよく分かんないけど、父さんの相談ぐらいはのれるよ?」
息子にここまで、心配されるとは。
「やっぱり、僕は駄目な父親だね…」
息子に心配かけせ、経済的にも支えることもできない。
「そんな事無い!!」
良守が叫ぶようにいう。修史は、驚いて良守を見る。
「父さんは、駄目な父親じゃない!小説を遅くまで書いて、家事だって全部やって、俺や利守にお袋が居なくても寂しくないように、愛情を注いでくれてるだって知ってる。だから、父さんは駄目な父親じゃない!良い父親だよ!」
良守は感極まって、泣き出してしまった。そんな息子を、抱き締めて、言う。
「ありがとう、良守」
墨村家に婿養子になって、色々と大変な事が合ったけど、後悔をしたことはない。
何故なら、大切な家族がいるから。
これからも、大変なことや悲しいことがあるだろうけど、大丈夫。
愛しい家族が、傍に居るから。
きっと、大丈夫。