頂き物
□飛沫様にリクエスト!
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先々出たクラスメイトは無事に完走して一位となる。
だが、意外に難しいのか先に競技に出た者の中で未だに帰ってこない者もいる。
何を借りてくるのか?
競技に一抹の不安を感じながらも、正守の出番となる。
さすがは日頃から体を鍛えているので、足は早い。
直ぐに借り物が書かれている箱にたどり着く。
息を飲み込んだ正守は一枚の紙を引いて開くと、そこには2文字だけ書かれていた。
それを見た瞬間、正守は絶句する。
………この競技場にあるものか?
怒りさえ感じるその2文字を睨み付ける正守、未だに帰って来ない者がいるのも納得出来る。
その内容を前にして正守はフッと思い出す。
「良守ーーぃ!!!!」
ざわつく中良守は目を輝かせながら正守の声に反応する。
「あい!!」
だが、小さな良守の声が届くはずもないが、父修史良守を肩に乗せて正守を呼ぶ。
「正守ぃ、良守ならここだけど?」
修史の声を聞きつけた正守は修史の肩の上に乗っている良守を見て両親。
特に守美子に感謝する。