頂き物

□スカーレットの芥様に頂きました!
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限に恋しためたんこ乙女ヒロインと良守と限とヒロインの黒ねこ話

朝、小さな路地裏で真っ黒な猫を見つけた。その黒いねこは、にゃーと一鳴きしてわたしの足にすりより、またにゃーとないた。お前、お腹が減ってるの?するとまたにゃー。わたしは何か無いかと鞄をあさった。そうだ、朝食のパンがあるじゃない!小さく千切ってやると黒ねこは喜んだ。あれ、黒ねこさん怪我してるの?右腕に巻いてある包帯をなぞるとにゃ、と鳴いて嫌がった。


「おい、」
「んー?」
「何時までそこに居る気だ、遅刻するだろ」
「えー」
「………」


まだ遊びたいよね、にゃー。優しくねこを擽ってやると喉をゴロゴロ鳴らしながら目を細めた。限は怪訝に思ったのか、それとも興味を持ったのかは知らないが、私の横に座ってねこを撫でた。するとねこはまた目を細めて喜んだ。


「ねー」
「なんだ」
「このねこ、墨村くんに似てるよね」
「ぶっ…!」


やだー、限が吹き出したのが余りにも面白くてケラケラ笑っていたら睨まれた。だってさ、誰にも隔てなく寄ってくるところとかそっくりよね。妖混じりだろうと異能者だろうとさ。


「あれ、お前ら何やってんだ?早くしないと遅刻するぞ!」
「あはは、噂をすれば、だよ!」
「は?何だよ、それ?」
「何でもないよね、げーん!」
「うを、ししお、いたのか!?」
「………ばか」
「なにをー!」
「ふふ、ほら、二人とも遅刻、遅刻!」


そう言えばねこ、振り返ったけどもう何処にもいなかった。もしかして、墨村くんが、ねこ?



ある日の朝





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