頂き物
□キリ番ゲット墨村修史さん小説!
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『小説家・墨村修史』
僕は婿養子として、この家に入った。結界師という、不思議な能力をもった、家に。
夜、ギシギシと廊下を歩く音が聞こえた。修史は、パソコンから、顔を上げた。
二番目の息子が、勤めに行く時間。勤めと言っても、働いて入るわけではなく、この家の勤めに行く時間。勤めと言っても、働いて入るわけではなく、この家の勤め。
烏森という、不思議な力を持った土地を、守護するため。
隣の家と共に、何代にも渡って、守護してきた。
二番目の息子は、正当継承者。産まれた時に、決った。
ふすまを開け、息子に声をかけた。
「良守、頑張ってね。」
黒い装束に身を包んだ息子は、微笑んで答える。
「父さん、あんまり徹夜しちゃ駄目だよ。」
「分かってるよ。切りの良いところで、休むよ。良守も、怪我とかに気を付けるんだよ。」
「分かってる」
良守は、そう言って出掛けて行った。
妻は、いつも家にいない。たまに、連絡がくるが、普段は、どこにいるか分からない。
次男は、先程のように夜にこの家に努めに励んでいる。