小説

□願い事の叶え方
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 正守、言葉はとても大切なものなんだ。

その人が本当に願って書いたら、想いが心の神様に届いて本当に叶うんだ。
 だからいっぱい夢を持っていなさい。

 嘘じゃないさ、その証拠に大好きなお母さんと結ばれて。

お前が産まれたんじゃないか。




 今、同じように父は自分が書いた御伽噺を読み、微睡む弟を撫でている。

まだ話し足りないって顔してるな。


「良守寝ちゃった、フフフ…正守もこんな頃読んであげたよね?なかなか寝なくて大変だったんだよ〜…」


ああ、話しているうち内容が食い違ってるよとか指摘して。

かえって目が覚めちゃってたっけ?


「うん」



「ちゃんと眠れてる?」

「大丈夫」

「あっ!お弁当あるんだー、頑張ってる正守に夜食にねーって…」

「要らない、余計な物持たないようにしてるから」

「そう…」



「じゃ」

「正守!行ってらっしゃい、気をつけてね…」


静かな夜静かな闇、冴えた漆黒だけの中で成すべき事を果たしに行く。
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