†序章†
□必要な、
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朝、だ。
2人分の朝食を作る。
支度が終わり、彼の部屋に行く。
ノックをして。ドアを少しだけ開けて。少し悩んで。おはよござます、と言った。反応がない、どうやら音量が足りないようだ。
仕方がないから私はベッドの横まで行
首を捕まれた
突然寝具から伸びてきた腕に驚いた。そうだそうだ、彼は忍だ。
「…何だ」
問いながらも腕を引くことはしない。
私は少し悩んで、とりあえず、おはよござます、と言った。すると手が離れた
「…必要ない」
起き上がりながら、面倒そうに言った
必要ありませんでしたか。
すいません、と言った
彼の瞳が揺れた
これも無駄な発言だったのだろうか
今日はリーダーに呼び出しを受けている。彼もそれを知っている。
行ってきます。
するとそれまでビンゴブックを見ながら朝食を取っていた彼がゆっくりこっちを向いた。
さっきと同じ瞳だった。
この発言も無駄な必要の無いものだったのだろうか。彼の機嫌を損ねてしまったのだろうか。
外は天気が良かった。
080609