銀河へキックオフ

□理由
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*うた


「こーたーくーん」

「なんだよ」

学校帰り

いつもと同じように彼と帰る



いつもと違うのは私と彼の位置

いつもは並んで歩くのだけど
今日は虎太の方が一歩先に歩いてて
たぶん少し怒ってる




「こーたー」

「やだ」

「んもう」



虎太の家に行きたいって言って
いいよって言ったのに
急にだめだって言われたら
私だって普通ちょっと怒るでしょ



そんで虎太の逆ギレ


「せめて理由ぐらい教えてよ」

「・・・・」




無視?

前方を睨む


「って虎太?前!電柱!」


ゴツッ




おもわず目を閉じる




「いって」


そりゃあね
まともにぶつかってたもん



「そんなに何考えてるの?」

「そんなの、お前のことに決まって・・・・こほん」

「私・・・?」

「ちげえよ!全然ちげえよ!」


否定すればするほど赤くなるのをみて
私も若干照れた気になる


「なんか言ってよ」

「言うよ、言えばいんだろ」

「そうそう、最初からそうすればいいの」

「理由だよ、家にくんなっていう」

「うん」

「俺ん家、三つ子なんだよ」

「いや、知ってるから」

「なんでわかんねーんだよ」

「は?」

「だから!同じDNAなんだよ!好きなものとか似てんだよ」

「へぇー、で?」


言いたいことはなんとなくわかった

私はにやにやしちゃいそうなのを必死にこらえて
もう一押し


「だから何?」

「なんでわかんねーんだよ!このくそ鈍感野郎、だから、俺が好きなものはあいつらも好きになるんだ・・・って」

「へぇー」


虎太と目を合わせる
すぐに彼は背を向けた

でも耳まで真っ赤だから
顔見なくたってどんな顔してるかなんて予想つくよ


なんだかんだ虎太って私のこと大好きなのかなーって




「ふふ、こーたー」

「なんだよ、鈍感」

「仮に三つ子の好みが一緒でも、私が虎太のこと大好きなのは変わら『わかったから、言うな・・・』」


虎太の耳はさっきよりも赤くって
人間ってこんなに赤くなるのかって思いました




「虎太の耳まっ『わかったよ!連れてくから黙ってろ』」


「やったあ!!」

私は虎太の隣に駆け寄って無理矢理指を絡める
 

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