俺たちは走り続ける

□楽しいティータイム
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「それじゃあそのときの子犬って…」

天馬の部屋で、天馬が一人暮らしだってことと、
天馬の命を救ってくれたサッカーボールの話を聞いていた。

「そうだよ。な!サスケ!」
「へぇ…ん?」

「…悪いわね、 涼君」

天馬の話が終わったあたりで、廊下の方から声が聞こえてきた。


『いえ。松風にも手伝いはするように言っておきますね』
「助かるわ。でも、今日は特別よ。お客さんが来てるの」

ドアがノックされ、ボクと天馬が同時に返事をした。

『おーい松風、ドア開けてくれないか』
「あ、はい!」

さっきまで話し声がしていたけど、天馬がドアを開けると先輩一人しかいなかった。

「あっすみません神原さん!」
『いや、いいって』

そう笑って、持っていたクッキーとティーセットの乗ったお盆を置いた先輩は、
ボクが想像していた先輩その人だった。

だけど・・・

「こっこんにちわ!」
『おう!西園も、よく来たな』
「えっ名前覚えててくれたんですか」
『当たり前だろ?西園信助くん』

まさか一回名乗っただけで覚えてもらえたとは思っていなかったから、すっごく感激した。

「せっ先輩!いつ帰ってきたんですか?!俺全然気がつかなかったなぁ!」
「…どうしたの天馬」

天馬は、なんか先輩が来てからそわそわしてる。
まぁ、こんなに美人な先輩が自分の部屋に来れば、嫌でもそうなるかな。

それにしても…

『俺は神原涼。サッカー部ではマネージャーをやらせてもらってる』
「ど、どうも!・・・あのー 一ついいですか?」

『ん?何だ?』

ずっと気になってることがある。

「何で学ラン着てるんですか?」
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