俺たちは走り続ける
□雷門に吹く新しい風B
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「そこの君は、何と言ったか…」
「あっ松風天馬です」
「松風くん、サッカー部の運命は君にかかっている。君に任せた」
「えっ!?」
「頼んだよ」
「ええええー?!」
「待ってください。本気で言ってるんですか?冬海校長からも、止めるように言って下さい!」
音無先生のその言葉に、校長と理事長は何やらひそひそ話を始めた。
「これは、理事長としての判断です」
ひそひそ話を改めて理事長が言い放った。
「り、理事長…?」
「じゃあ決まりだな」
剣城が不敵に笑った。
『やれるのか、松風』
俺は、一乃の肩に乗せた手に力を込めて聞いた。
「ドリブルの1人練習とかなら毎日やってますし…い、行けますよ!」
「ドリブルの1人練習って…それだけ?」
呆気に取られた音無先生が聞き返した。
「うん…。大丈夫、なんとかなります」
そう言うと、松風は顔を平手で打ち、気合を込めた。
「よーし!」