俺たちは走り続ける
□河川敷の特訓
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足取り重く、俺は川沿いの帰り道をゆっくりと歩いていた。
考えれば考えるほど、絶望的だった。
勝敗指示のこと、フィフスセクターのこと、剣城のこと。
そして、天馬のこと。
守るって決めたんだ。何があっても、俺はあいつのことを支えてやる。
だけど勝敗指示のことを考えると気は重くなる一方だった。
「2、3…1、3…2、2…1、2…1、2、3……」
『ん?』
河川敷の公園から誰かの声と、ボールを蹴る音がした。
見えた人影に、すぐに階段を下りる。
『天馬!』
「あ!涼さん!お疲れ様です!!」
『お前、こんなところで…特訓か?』
「はい!試合に出るって聞いたらもう、いてもたってもいられなくて!」
ハードな部活の後に…元気だなぁ。
『いいから続けろよ。見ててやる』
近くのベンチにかばんを置き、俺は天馬の特訓を見守った。