俺たちは走り続ける

□新入部員
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入学式の次の日。
俺は朝練に備えて支度をしていた。

昨日はミーティングのみで終わり、練習は無かったからこそ。

『今日から俺一人、かぁ』

自分の部屋で制服を着ながら呟いた。

もう、選手を支えるマネージャーは俺一人しかいないんだ。
そう思うと気が重くなる。

だけど、弱音ばっかり吐いていられない。

鞄を持ち、部屋を出る。

そうだ。俺よりも選手の方が、この先もっとキツイし辛い。
一人だからなんだってんだ。

玄関で靴紐を結び直して、気持ちを引き締める。

絶対に雷門サッカー部は負けないぞ。

そんな気持ちを込めて。




『おはようございます!』

俺の仕事は朝一番に部室のカギを開け、掃除をすること。

部室に入る時はあいさつをする、という習慣が身についてしまい

『つってもま、誰もいないけどな』

カギを開けたばかりで誰もいるのはずない朝にまで、挨拶をしてしまう自分がいた。


誰もいない、静かな部室。
俺はゆっくりと深呼吸をひとつした。

『よしっ』

鞄を邪魔にならない椅子の上へ置き、掃除を始める。


今まで6人でこなしてきた仕事をひとりでやるんだ、気合も入るさ。
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