俺たちは走り続ける

□この二歩は縮まらないのか
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『あ』

「あん?」

廊下を歩いていると、どこかの部屋から出てきた剣城とばったり出くわした。


『お前……』

ふと見ると、剣城が出てきたのは理事長室だった。

「何だよ」

不敵に笑う剣城。


『…』
こいつに聞きたいことはいくらでもある。

「睨んだって無駄だぜ?雷門サッカー部は俺が潰す」

そう言いながら、剣城は俺の目の前、2歩くらいの距離まで来た。


「なぁ、なんとか言ったらどうなんだよ」
『…お前は、サッカー部に入るのか』

俺のその問いに、剣城はニヤッとした。

「あぁ、勿論」
せせら笑う剣城。俺は込み上げてくる怒りをぐっと堪えた。


『…監督はどうなる』

俺の言葉に、剣城はさらに愉快そうな顔をした。

「排除、だな」
握った手に力が入る。


『フィフスセクターは、どうして雷門を潰そうとするんだ?』

「…喜べよ。しばらくの俺の任務は久遠の排除と化身能力者の監視だ」

『何?』

「潰すかどうかは再検討ってことだ、キャプテンさまさまだな」

でも今さっき、俺が潰すって言わなかったかコイツ…。

見ると剣城の表情は、言葉とは裏腹に潰す一択だと物語っていた。
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