俺たちは走り続ける
□これが化身だ!A
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「ここで前半終了!
前半は、黒の騎士団の一方的な試合となってしまった!」
前半終了のホイッスルが鳴ったとき、雷門の選手はかなり消耗していた。
『痛めたとことかあったら早く言えよー』
俺はなるべく明るい声を努めた。
ドリンクは用意していたが、受け取るみんなの表情は一概に暗く、
なんて声をかければいいのかわからない。
『ほい、神童』
「あぁ、ありがとう」
タオルで汗を拭っていた神童にもドリンクを渡す。
「強いな…」
黙っていては、気分は更に落ち込むだけ。
こういうときは些細な事でも誰かと喋っていたほうが良いものだ。
『あぁ。あいつら並じゃねぇよ』
神童はしかめっ面のまま頷き、ドリンクを飲み始めた。